2009.03.29

箱根・強羅にて

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 昨日から、家族(高校生の長男を除く)で箱根に来ている。
 昨日は、天気予報では一日良い天気だったのだが見事にはずれ、一瞬雪までちらつく天候だった。で、今朝になって、やっと、ご覧のような富士山を拝むことができた次第。
 今回宿泊した健保の保養所は、強羅からケーブルカーで上った「上強羅」にある。窓から薄っすらと富士山の頭が見え、左に首を振ると、早雲山から大涌谷に至るロープウェイを望むことができる。
 今日は鎌倉へ行って、江ノ電に乗る予定なんだけど、ケーブルカー→登山鉄道という往路を逆に辿るのがもったいなくなってきた。
 ロープウェイと海賊船で元箱根にでて、昨日、雲に覆われて望めなかった景色を拝んでから、バスで箱根湯本まで行こうか、家族に相談してみよう。

 以上、せっかくのネットブック+イーモバイル環境なので、箱根から記念の書き込みでした。

 そうそう、イーモバイルは強羅でも2M(gooで計測)出ていました。このくらいのスピードだと、ストレスを感じないでネットができますね。(帰宅後追記)

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2009.01.30

小学3年にブログは早いか

小3の鉄ヲタ化

 最近、小学3年生の息子が鉄道マニア化している。かなり鉄道好きな友だちがいて、その子の影響らしい。顕在化したのは昨年秋あたりからだ。「鉄子の旅」で知った東京近郊区間の大回りに4回も行ったり、秩父鉄道に乗りに行ったり。同行した父親であるぼくまでもがすっかり影響されている。列車に乗るのはものすごく楽しい。

 息子は、母親から使っていなかったカシオのコンデジを譲り受けて、写真を撮りまくっている。駅名標やら電車やら駅やらいろんなモノを納めて、悦に浸っている。駅名標を印刷して欲しいという感覚はイマイチよくわからないが、撮るのも乗るのもものすごく楽しいそうだ。そんな息子に、先日ちょっとした提案をしてみた。

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2008.10.05

映画評 『容疑者Xの献身』

「天才」の安売りに少々辟易

 凡そエンターテイメントというものが、非日常空間を創出して非現実的な物語を見せつけるプレハブと受け入れてしまえば、「天才物理学者 vs 天才数学者」などという、上から目線の安易で「ありえない」設定に居心地の悪い思いはしないのだろう。こういった類の究極の非現実を、何度殺しても死なないハードボイルドアクションなヒーローよりも受け入れることができない読者&観客は、最初から読んではいけないし、この映画を観てもいけない。

 似たようなロジックで映画を愛する者の目線に立てば、メディアミックスなどと称してテレビドラマから派生した映画など、評価に値しないと思っている映画ファンは多いに違いない。最近の日本映画の活況が、こういったプロモーションに端を発していることは理解しても、堕落させているのもまた彼らなのだから。特にフジテレビ発の映画などは。

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2008.10.02

ネットブックを手に入れた

Acer Aspire ONE

 今年8月、近所のコジマで予約して、Acerのネットブックを手に入れた。話題のAtom搭載で、HDは120Gの黒青ボディ。液晶はテカっている8.9インチのヤツ。イーモバイルのキャンペーンでの購入なので、1万円以下だった。計算すれば、最終的には高額になってしまうけど、来年再来年の累積した4万円より、目の前の4万円というわけです。

 これがものすごく便利で楽しい。自宅では無線LAN接続なので、気兼ねがいらない。テレビを見ながら、お腹の上でネットを開く。用事が済んだら蓋を閉める。また気になることがあれば開いて検索。外出するときもたまに持っていってネットにアクセス、16号の外に行ってしまうと途端に弱くなって0.1bpsくらいしかスピードがでなくなるけど、仕方ない。

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2008.03.09

音評 『ワールド ワールド ワールド』 アジカン

ワールド ワールド ワールドワールド ワールド ワールド
ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文

キューンレコード 2008-03-05
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アジカンを知らない記者の妄想記事が現実に?

 昨年秋だったか、後藤正文が結婚するときに、スポーツ紙が「ポップな旋律と独特の歌声の」みたいなフレーズでアジカンを紹介していた。知らないということは恐ろしい。少しでもアジカンを聴いたことのある人間で、少しでも音楽をわかっている書き手ならば、アジカンをしてポップなどとは絶対に言わないだろう。資料をなぞっただけのひどい記事だった。

 ググッたら、運良くまだ残っていたのでリンクを貼っておく。ニッカンスポーツだった。いずれ消えちゃうだろうから、引用しておこうかな。
 「アジカン後藤が一般女性と結婚」2007年9月22日の記事。わ、そうだった、ニッカンはコピーできないんだった!

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2008.02.29

ココログがおかしい

個別記事で「同一カテゴリの記事」が表示できなかった

 先日、ダイエットのブログを分割して、更にレッズ関連の記事を分割してからというもの、とてもブログがとても不安定になってしまい困っている。

 まず、発生したのが、「実践 レコーディング・ダイエット」で「同一カテゴリの記事」が表示できないという現象。そのときは「こんなこともあるのかな」という程度で、サポートに連絡も入れなかった。でも、やっぱり「同一カテゴリ」が表示できるといろいろと便利がいいので、上級テンプレートに移行したあと、ネット上で似たような動きをしてくれるモジュールを見つけて導入した。

 導入して10日ほどはちゃんと動いてくれていた。しかし、2月20日、突然、記事をアップするときにエラーが出るようになってしまった。エラーが出たあと、ブログのトップ画面を確認すると記事が反映されていない。しかし、個別の記事と月別、カテゴリにはちゃんと反映されていた。試行錯誤しているなかで、上級テンプレートの設定の大半もアップできないのもわかった。

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2008.02.26

お願い

2/23、レッズ関係の記事を分割して下記に移動しました。
RED STOLZ
http://takefour.air-nifty.com/reds/

2/10、ダイエット関係の記事を分割して下記に移動しました。
実践 レコーディング・ダイエット
http://takefour.air-nifty.com/diet/

テーマに沿った更新はそちらで行います。

こちらのブログは、元々の趣旨だったハードボイルド&冒険小説系の書評とか身辺雑記を書き散らかすブログとします。

よろしくお願いいたします。

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2008.02.24

書評 『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊

宝島社 2007-04-07
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 宝島社がミステリーを刊行するようになったのは、あの楡周平が最初ではなかったかと記憶している(違っていたら失礼)。当時から「このミス」の愛読者だったぼくは、鳴り物入りで登場した『Cの福音」』(宝島社文庫)を買い込んで、大きな期待を持って読み始めた。「このミス」でおもしろい本を世に問い続けていた宝島社が社運をかけて売り込んだように見えたのだから、それも仕方がないことでしょう。1996年だったと思う。

 しかし、期待は大きく裏切られた。あの作品は小説の体をなしていなかった。自己満足と過剰な自己陶酔がハードボイルドだと勘違いした作者の痛い小説というイメージしかない。その後、シリーズ化したようだが、ハラワタを抉るような小説を書いてくれるとは到底思えなかったので、手を出していない。

 同時に、宝島社にも大きく失望した。「このミス」は投票する人選が良かっただけで(当時からすればこれは実は大変なことなのだけれど)、宝島社にあの空気を再現してくれる編集者はいないのだなと本当に失望した。申し訳ないが、その後は単なるムックとか雑誌の出版社のイメージのみ。だから、「このミス大賞」も、ぼくの中では限りなく評価の低い文学賞だった。

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2008.01.01

プライバシー ポリシー

 当ブログで掲載しているGoogle AdSense広告は、ウェブビーコンやクッキーの技術を使っています。

 ウェブビーコンとは、画像ファイルを使ってページの表示数やユーザー動線を把握する技術です。 画像表示をしないように設定すれば、ウェブビーコンは作動しません。しかし、画像が表示されなくなります。

 クッキーとは、Webサーバーとブラウザの間の情報のやりとりを指します。クッキーによって情報はブラウザに記録され、Webサイトは利用者を識別できるようになります。
 
 クッキーとウェブビーコンによって集められた情報は、適切な情報を表示するために使われます。また、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 (氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するために使用することもあります

 これらは、設定により使用を拒否または抑制することができます。しかし、クッキーは一般的な技術で多くのサービスで使われており、クッキーをオフにすると一部のサイトが正常に機能しなくなる可能性があります。

 なお、これらの技術によって、個人を特定することはできません。

 以上、Google AdSenseの要請による告知です。

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2007.11.02

郵便年賀.jp

 早いもので、もう年賀状の時期だ。
 いつもは、ポストに投函されている郵便局からの注文ハガキに必要な枚数を書き込んで投函するんだけど、今年はCMも流している「郵便年賀.jp」からやってみた。

 HTML版とFLASH版があって、かなり凝った作りのサイトだ。よくある「最初にメンバー登録してください」という形式じゃないのはいいな、と思って作業を進めたらエライ目にあってしまった。

 年賀状の購入単位は50枚。なんでか知らないが、随分紋切り型で融通のきかない50枚。家族みんなの分を合わせても100枚なんてたぶん使わない。…と思いつつ、たいして気にもせず購入単位(1)(50枚)のまま住所その他を書き込んだ。実際は100枚買わなくちゃ間に合わない。

 すべての作業が終わった後、購入単位が(1)のままなのに気がついた。たいていのサイトなら、ここで購入単位を変更できるはずなのだが、このサイトではできない。「戻る」ボタンを押して前画面に戻るしかないようなので、イヤな予感を漂わせつつ、「戻る」ボタンを何回か押した。押すたびに、購入単位を変更できないか確認しつつ。

 購入単位を変更できる画面まで戻って、(2)に変更して購入作業を続けると、先に入力したぼくのデータは案の定全部飛んでしまっていた。やれやれ本当にひどい作り。仕方ないので、再度入力して、決定の画面で固まってしまった。

 送料が600円だそうです。EXPACK500より高い600円ってどういうこと? 最寄の郵便局のハガキ注文なら、無料で届けてくれるのですよ。各郵便局とまったくリンクしていないのでしょう、きっと。ひどいシステムといわざるを得ない。

 それでも、ともかく、やってみないとはじまらないので、600円くらいならと思って注文してみた。豪華な化粧箱か何かで美しく梱包されて届くのでしょうか?

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2007.10.24

梅田望夫(『ウェブ進化論』の著者)の新刊

 過剰なまでのオプティミズムとGoogle賛美で賛否両論を呼び、昨年から今年にかけてWeb2.0の大ブームを巻き起こした張本人である『ウェブ進化論』(ちくま新書)の著者・梅田望夫の新刊が11月6日に刊行されるそうだ。昨日からAmazonで予約が可能になっている。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶかウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか
梅田 望夫

筑摩書房 2007-11-06
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 どうでしょう。二匹目のドジョウをうまくつかまえることができるのでしょうか? 個人的には必ず読むと思うけど。この方の能天気ぶり(失礼!)に、結構勇気をもらっていたりするので。いまでも、Google至上主義なんだろうか。初音ミクに言及するまでもなく、かなりかげりが見えてきたと思うのだが。

 埼スタに念を送りつつ……。

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2007.10.20

踊るレジェンド

 念願の『交渉人 真下正義』をテレビ放映で観た。予想以上におもしろかった。交渉ともつかない犯人と真下の心理戦には大いに不満があるけど、じゃああれ以上どうやったらいいんだと聞かれてもうまい答えは見つからない。愉快犯的な犯人像から言えば、単なるナゾナゾごっこであっても納得できる要素はある。

 最終的な犯人の扱いも、あれはあれでアリだと思う。次回作に含みを持たせたとか、いろいろな憶測が飛ぶのもまたわかる。エンターテイメント映画としてはそこそこの出来だと思うのだ。少なくとも、最近DVDを借りて観た『アンフェア the movie』の素人演出よりはずっと良かった。
 
 『踊る大捜査線』のスピンオフ作品は複雑怪奇でわかりにくいのだが、とりあえず大物は全部観たかな。正直な感想は、灰島>真下>木島>室井。踊ると最も遠い灰島が一番って、皮肉な感想でしょうか。今晩放映の室井は、初見で頭を抱えた。今夜確認してみるべきか。

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2007.10.18

書評 『制服捜査』 佐々木譲

制服捜査制服捜査
佐々木 譲

新潮社 2006-03-23
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 佐々木譲といえば、冒険小説の傑作である『ベルリン飛行指令』(新潮文庫)『エトロフ発緊急電』(新潮文庫)『ストックホルムの密使』(新潮文庫)の三部作を真っ先に思い出す方が多いだろう。第二次大戦を題材にした冒険小説で、『ベルリン飛行指令』と『エトロフ発緊急電』はNHKでドラマ化もされたので、ご記憶の方もあるかも知れない。『エトロフ発緊急電』は沢口靖子主演だった。

 しかし、ぼくにとって佐々木譲といえば、大学時代に見た思い出深い映画『鉄騎兵、跳んだ』の原作者として登場したのが、最初の出会いだった。映画を観たのは1980年、池袋の文芸地下だったと思う。熊谷美由紀と石田純一が初々しい青春映画(石田純一はこれでデビュー)で、原作はオール読物の新人賞受賞作品だった。

 これを書きながら、『エトロフ発緊急電』と『鉄騎兵、跳んだ』をAmazonで探したが、双方ともビデオのままでDVD化はされていない。日活は仕方ないとしても、怠慢だな、NHKは。是非DVD化して欲しい。もちろん、日活も。

 前述の三部作でブレイクしたあと、骨太の歴史小説などをお書きになっていたようだが、ちょっとばかり縁遠くなってしまった。失礼ながら、自分的には「過去の人」に分類してしまっていた。本当に申し訳ありません。しかも、「このミス」で平山さんの『独白するユニバーサル横メルカトル』に次いで2位を獲得した作品を今ごろ読んでおいての言い草で、本当に申し訳ないと思っています。

 前置きが長いが、ともかく、すばらしい警察小説だった。なんといっても、着眼点がすばらしい。手アカのついた題材と思われる警察小説をこんなにも新鮮に読ませてしまう作者の手腕は、見事というほかない。極めて日本的な警察小説として、日本の警察小説史に残るほどの作品ではないかと思うのだ。

 主人公は、殺人犯や窃盗犯を手がけたベテランの刑事(川久保巡査部長)だが、北海道警の不祥事の尻拭い人事で、なんと駐在所勤務に飛ばされてしまう。赴任した田舎町が、実に日本的なムラ社会を形成していて、駐在ですらなかなかコミュニティに入り込めない。

 その駐在警官・川久保が、極めて日本的な北海道の小さな田舎町で孤軍奮闘する姿を描いた。肩肘を張らず、自然体で事実に対峙する川久保の姿は実に感動的だ。日本の縮図であるムラ社会に風穴を空ける川久保は決してドン・キホーテではない。正義と信念に裏打ちされた行動は、読むものを清々しくさせてくれる。

 本書は、連作短編集だが、川久保を主人公にした長編が是非読みたい。ぼくが知らないだけで、もうあるのかな? ともかく、ミステリ好きには絶対のオススメ小説と言える。

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2007.10.17

DSソフト 『レイトン教授と悪魔の箱』 予約開始

 2007年春に結構なブームを巻き起こしたDSソフト『レイトン教授と不思議な町』の続編『レイトン教授と悪魔の箱』が発売される。11月29日だからかなり先なのだけど、早くもAmazonで予約が可能になった。前作は予想外の売れ行きだったようで、どこに行っても品切れでヤキモキした記憶がある。前作の轍は踏まないぞという決意の現われかな。予約状況で売れ行きも読めるだろうしね。コナリーの新作は1週間前じゃないと予約できなかったのに…。

 頭の体操風のクイズを、うまいことストーリィに乗せて見せた手法は見事だったかも。ラストのアニメもドラマチックでなかなかよかった。今年やったDSソフトでは一番楽しめたかな。前作発売時から、三部作とのアナウンスがあった。しかも、第一作のナゾを解いていないと解けないナゾがあるとかないとか、そんなあざとい宣伝がなされたけど、まあ、おもしろかったから。

 早速予約しちゃいました。それまでには修理に出している次男のDSも戻ってくるだろうし。本心を言っちゃうと、買った方がいいんじゃない? というくらいに修理代が高くて、レッズカラーのこれを買えるといいんだけど。上部分が赤で下が黒でかっこいいのだ。次男にぼくが使っているジェットブラックをおろして。

ニンテンドーDS Lite クリムゾン/ブラックニンテンドーDS Lite クリムゾン/ブラック

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2007.10.13

書評 『リオ』 今野敏

Rioリオ (新潮文庫 こ 42-1 警視庁強行犯係・樋口顕)
今野 敏

新潮社 2007-06
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 白状すると、作者の作品は傑作との誉れ高い『蓬莱』 (講談社文庫)しか読んだことがなかった。作者の主戦場であるノヴェルスをあまり読まないというだけでなく、どこか固定された否定的な観念があったのかもしれない。2時間ドラマ的であろうとか、安易でありがちであろうとか、過剰にエンターテイメントであろうとか。

 読後の感想も予断からさほど遠いものではなかった。言葉は悪いが、2時間ドラマ的な警察小説だった。殺人事件現場から立ち去る絶世の美少女。その後に発生する2度の殺人事件でも同じ美少女が目撃される。しかも、3件の事件はすべて火曜日行われている。つかみは完璧。視聴率はわからないが。

 犯人も途中でほぼ特定できてしまう。コナリー的大逆転を期待したが、もちろんそんなものはなかった。ヒロイン・リオの環境と心情や、犯人の動機に執筆時の1997年当時も今も変わらない現代的病巣をもってきたかったのだろうが、どうも薄っぺらに見えてしまう。登場人物たちの痛みも伝わってこない。

 主人公の樋口警部補がしきりに語る世代論も非常にウザったく感じられてしまう。これが全体を薄っぺらく見せてしまう最大の原因かもしれない。作者の今野敏は、昭和30年生まれだ。同じく昭和30年生まれである樋口が語る言葉は、そっくり作者の言葉ととって構わないだろう。「団塊の世代」の後始末を強いられた世代。それはよくわかる。

 しかし、個人的には安易に世代論を振りかざす人々は、作者が忌み嫌う「団塊の世代」以上にたちの悪い思考停止状態に陥っていると思うので、容易に受け入れることはできない。主人公樋口の保守的で観念的な被害妄想は、読んでいて非常に疲れた。これを別の要素で料理しておけば、もっと良い小説に見えたかもしれない。

 この物語最大の魅力は、他の警察小説では見られない主人公樋口警部補の人物造型だ。その最大の魅力を「世代論」であぶり出そうとしているからもったいない。社会の「悪」と呼ばれるすべてを「団塊の世代」に押し付けるような態度に至っては、嫌悪感しか覚えない。社会はそんなに簡単ではないのだ。人物にはもっと背景があるのだ。

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