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2004.12.29

書評 『消えた少年たち』 オースン・スコット・カード

消えた少年たち消えた少年たち
オースン・スコット カード Orson Scott Card 小尾 芙佐

早川書房 1997-11
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 新作を追わなくなった。…というか、追えなくなった。
 今年春から長男が中学生になり、次男は幼稚園に入った。毎月平均で片手はゆうに超える出費がかさむことになり、自分の多趣味のどれかを地味目にリセットする必要に迫られた。
 まず本だった。仕方なく、新刊本を追いかける読書スタイルにひとまず見切りをつけることにした。

 スタジアム通いを中断しているのは、春に手工のクラシックギターを手に入れたとき、何年かの間スタジアム通いを封印することが条件でカミさんに納得してもらったからだ。
 みっともない話だが、丁度身体ががきつくなって自由席のシーズンチケットを手放したばかりだったので、ボンビーなわが家の台所からそんな話が出るのは成り行きでもあった。

 今年は、マイクル・コナリーを再読したり、司馬遼太郎の文庫を読み漁ったり。数えたわけではないが、たぶん60作程度しか読んでいないと思う。
 「このミス」を見ても、既読はほんの数冊という読書だった。
 そんな読書で今年一番インパクトがあったのは、春に読んだオースン・スコット・カード『消えた少年たち』だった。
 発行から7年を経てやっと読むことができた。世の親たちは涙無しでは読めないであろう、紛れも無い傑作だった。

 この本については、それだけでネタばれになってしまいそうだから、○○のようなと例も挙げられない。
 底知れぬ衝撃と感動を与えられた。
 モルモン教徒の退屈な生活描写と鬱屈した心理描写から、一気に怒涛の結末に雪崩れ込む。時節柄たとえは悪いけど、津波に巻き込まれたか雪崩に巻き込まれたような感じだ。気が付いたときは既に遅い。

 ぼくは無宗教だ。普段から信心深い生活を送っているわけでもない。
 でも、結構霊感が強いのか何度も霊体を見たことがあるし、UFOに至っては数え切れないくらい目撃している。
 神の存在についても肯定的だ。
 この本に描かれたような奇跡も無条件で信じてしまう。
 フィクションに対して信じるとか信じないとか、これほど馬鹿げた言い方もないと思うが、読後そんな言葉を吐きたい衝動にかられてしまうほどの衝撃だった。

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