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2005.06.08

死に絶える天然記念物男

 その人は、帰宅すると玄関で靴を脱いだ瞬間から、歩きながら服を脱ぎ始めるのだそうだ。
 上着を脱いでその場に落とす。何歩か歩いてワイシャツを脱ぎ、ケンケンをするように靴下を脱ぎ、ズボンを脱ぐ。
 歩いた跡には、脱いだ洋服が転々と散らかることになる。
 それを拾い集めるのは奥さんだったり娘だったり。

 数年前に定年退職したOBが久しぶりに顔を出して、そんな話を延々として帰っていった。
 今は、娘が嫁いでしまって、本人も悠々自適の毎日だから、そこまでのことは無いと思うけど、いるんだね、こんな男。
 最近、やっと自分のパンツの在り処を知ったのだそうだ。嘘か真か、そんな話を自慢げに披露する。
 まさか、と思いながら適当に相槌を打ちながら話を聞いた。心なしか、目が輝いている。

 昔の日本はこんな男が多かった、かな。
 ここまでではなくても、帰宅すると定位置にデンと座り、巨人戦を見ながら延々と晩酌をする。文字通り縦のものを横にもしない。たまに声を出したと思ったら、「風呂」。出張から帰って来て、「アレが入っていなかった」とちゃぶ台をひっくり返す。近い将来、死に絶えるであろう、天然記念物男。 

 自分はと言えば、冷蔵庫内に愛飲する野菜ジュースの定位置すら確保できず、今日みたいにサッカーのためにテレビのチャンネルをキープしたいときは、前の日から子どもたちに根回しをする。大きい方で見たいもんね。
 まあ、そんなもんです。

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