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2007.06.29

書評 『こうして治す アトピー』 竹原和彦

こうして治すアトピー (岩波アクティブ新書)こうして治すアトピー (岩波アクティブ新書)

岩波書店 2002-01
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 今年高校に入学した息子のアトピーがひどい。なかなか信頼できそうな医師に出会えず、処方されるステロイドに対する恐怖心も癒えず、悩んだ末にたどり着いた本だ。

 以前はごく普通の皮膚疾患と見られていたアトピー性皮膚炎が、なぜ、どのようにして難病のごとく見られるようになったのか。なぜ、ステロイドが悪魔の薬のように捉えられるようになったのか。皮膚科医の立場から、偽のアトピー情報を流し、それによって利益を得ている人たち-所謂 アトピービジネス-を強い怒りを持って断罪している。

 同時に、アトピー患者とその家族に対しての視線が優しい。
 この作者は、日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療のためのガイドライン作成に尽力した方で、それに基づいて第一線で治療している方だ。現在も金沢大学の皮膚科で外来を担当しておられる医師である。

 現場で得た様々な情報と科学的論拠を元に、ステロイド外用薬を適切に用いた治療法を解説している。もちろんステロイド外用薬の副作用についても、説明をしている。用法と容量を間違い易いので、注意が必要なのは当然だろう。これらを踏まえて、ステロイド=悪魔の薬と呼ばれるようになった経緯も、わかり易く説明が施されている。

 痒いのだから、対症療法は当然だ。実際、痒くて眠ることができない息子をみていると、本当にかわいそうだ。掻き毟り、血が出る。症状がひどくなると、まともな社会生活が営めなくなる。退学してしまう、会社を辞めてしまう。ステロイド外用薬で、痒みを和らげ、炎症を抑えるしかない。

 だから、信頼できる皮膚科医の存在が大切なのだ。自分の病気を知ることもまた大切だ。本書を読めば、身近な信頼できる皮膚科医の見つけ方から、自分の病気の進行度まで知ることができる。アトピー性皮膚炎に悩む方、その家族に是非読んでいただきたい本である。

 正直、作者が患者に言うある台詞で涙がこぼれた。
 悩む人は是非この本を読んで欲しい。

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コメント

多くの難病患者を食い物にするあやしい輩に騙されないためにも、患者自身がきちんとした知識を身に付けることはとても大切ですよね。

そして、そうでない人々もきちんと理解してともに暮らしていくという姿勢が必要ですね。

投稿: ムムリク | 2007.06.29 10:50

随分久しぶりの更新なのに、素早い反応で、びっくりしました。ありがとうございます。
世の中、人でなしの悪徳商法が多いですよね。こうした外の出来事を知って、その上で己を知る。大事です。

投稿: takefour@旅歌 | 2007.06.29 12:20

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