書評 『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』 西村博之
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小飼弾の「404 Blog Not Found」で見かけて、予約注文した本。だって、あのひろゆきと小飼弾の対談が読めて、しかも佐々木俊尚(『次世代ウェブ グーグルの次のモデル』 『ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか』
の著者)との対談まである。これは読まなくちゃなるまい。
いきなり帯に「もうこれ以上、インターネットは社会を変えない。」なんてある。扉を開くと、『ウェブ進化論』で梅田望夫が啓蒙して爆発的に流布した「Web2.0」について、刺激的な内容が並ぶ。インターネットについて、常識となりつつあるあらゆる事柄に毒を吐き続ける。
ひろゆき曰く、「Web2.0は流行商売のまやかし」「Web2.0はマイナスイオンと同じ」「Googleの技術は普通のこと、たいしたことない」「Googleのことをすごいと言っている技術者は自分の周りにはいない」「Googleですごいのは、企画力と営業力」「mixiで『大麻』で検索してみろ」「集合知を妄信するな。集合知だと思っていたことが実は集合愚かも」「ちゃねらーは新聞より2ちゃんねるを信用している」…etc
梅田本のおかげで熱狂的に広まった「Web2.0」に冷水を浴びせかけている。ぼく自身、ちょっと納得できないことが多くて、首を傾げていた事柄を見事に文字にしてくれていた。もっとも、ぼくの頭の中で渦巻いていた文字群よりもずっと過激だが。
読み進めるうち、佐々木俊尚との対談が、ものすごく楽しみになってくる。だって、佐々木は「Web2.0」関連の書籍を多く出版している「Web2.0」伝道者のひとりなのですよ。否定し続けるひろゆきとの対談がどうなるのか、もうワクワクドキドキだった。
しかし、ぼくが技術者じゃないからかもしれないが、小飼弾との対談には興味が薄れていってしまった。なんとなく、梅田望夫&茂木健一郎の対談『フューチャリスト宣言』に近いような体温を感じてしまったからだ。対談は異質で対極の考えを持つもの同士の方がずっとおもしろい。梅田本でも前述より、平野啓一郎との対談『ウェブ人間論』
の方がずっとおもしろかった。
ところが、佐々木俊尚との対談は知りきれトンボで終わってしまう。ひろゆきよ、なんでもっと突っ込まない。なんで、本音の答えを引き出さない。佐々木俊尚の曖昧さがすべての答えになっている、じゃ答えにならない。もっと具体的に言いにくいことまで突っ込んでこそだろう。たとえ、かみ合う箇所がひとつも無くて、途中で投げたくなったとしても。佐々木さんもちょっとだらしなかったな。もっと言ってやれば良かったのに。どっちも検閲されちゃったかな。
というわけで、今のネット業界へのアンチテーゼ満載の本だ。裁判についてもかなりのページを割いているが、この部分はちょっといただけない。アウトローもいいが、もっと自覚してもいいじゃないか? 世の中にはネット=2ちゃんねると思っている人が相当数いて、その管理人 ひろゆき の動きが、2ちゃんねるの総意みたいに捉える連中もいる。自覚して欲しいな。
ちなみに佐々木俊尚は毎日新聞出身のジャーナリスト。CNET Japan でいわゆる「死ぬ死ぬ詐欺」と呼ばれる、日本では認められていない子どもの心臓移植を受ける家族たちへの募金活動に対して行われたネット上の非難と、それを取材して毎日新聞に掲載された記事を更に取材することによって、ネットに対する偏見を浮き彫りした秀逸な論評がある。ネット界では特に知られた論客だ。上記の記事について興味のある方は、リンクを記したので下記からどうぞ。
毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題
毎日新聞「ネット君臨」取材班にインタビューした
新聞が背負う「われわれ」はいったい誰なのか
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» 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? [映画や本を淡々と語る]
数々の裁判に敗訴し、ドメイン差し押さえ騒動まで起きた2ちゃんねるはなぜつぶれないのか? 確かに、さおだけ屋がなぜ潰れないのかよりも関心ありますねぇ・・・・。 [続きを読む]
受信: 2007.07.08 11:20




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