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2007.08.17

11/8 『ララガーデン春日部』オープン

 春日部駅西口を出て、駅前ロータリー入り口の信号を左折する。更に、セブンイレブンを左手に見ながら真っ直ぐ進むと、いかにも不自然なだだっ広い草むらに突き当たる。歩いて4分くらいだろうか。心ある春日部市民なら誰でも知っているであろうバブルの爪跡だ。

 バブル全盛時、市内のある不動産会社が札片を切って地上げした土地だ。道路に囲まれた一角すべてを手中に収めるために、新築の家まで地上げし取り壊すさまが異様に見えたものだった。春日部版「ソニックシティ」を作ると豪語したが、バブルに崩壊の兆しが見えて計画は頓挫。以来、塩漬けされてしまう。15年ちょっと前だったろうか。

 この忌まわしい場所に、「ららぽーと(ララガーデン)」をオープンさせると三井不動産が発表したのが、2006年10月だった。

「(仮称)ララガーデン春日部」着工

主要テナントに「京成ストア」「ユナイテッド・シネマ」が決定

■三井不動産株式会社は、埼玉県春日部市にて計画推進中の「(仮称)ララガーデン春日部」を、10月24日着工いたします。当施設の開業は平成19年秋を予定しています。

■「(仮称)ララガーデン春日部」は、東武伊勢崎線・東武野田線のターミナル駅である「春日部」駅から徒歩4分に位置する約23,000m2という広大な敷地を活かした、延床面積約63,000m2、店舗数約80店の都市近郊型商業施設となります。

■ 建築デザインには、MTMインターナショナル及びフェルナンド・バスケス氏を起用。3層吹き抜けのオープンモールを主体とした開放的な空間をつくるとともに、周辺環境と調和した街づくり型の商業施設として、地域のお客様に日常的に利用していただけるような施設を計画しています。

■なお現時点において、食品スーパーの「京成ストア」、9スクリーン・約1,800席のシネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ」が主要テナントとして決定しており、今後も地域のニーズに応えるテナントの誘致を推進してまいります。……

 2007年春ころには特徴的なウェーブの屋根が姿を現した建物を、市民は期待と不安を持って見守ってきた。期待は誰でも思い描くであろうから置いておく。

 不安とは、まずクルマの渋滞だ。通常、こういった店舗は郊外に作られることが多い。しかし、「ララガーデン春日部」は市街地のど真ん中に建設された。貧弱なアクセス道路からクルマが溢れて、市内は身動きが取れなくなるのではないか、という不安。近くの「春日部市立病院」周辺までクルマが溢れるのではないか。

 住宅地のど真ん中ということも不安を煽る。商業地に建設されたのならまだしも、施設の隣は普通の民家が立ち並んでいるのだ。地域の方々の不安は想像してあまりある。この一帯の方々の生活は一変してしまうだろう。

 不安はまだある。近くにある大規模店舗である「ロビンソン百貨店」(東口)と「イトーヨーカドー」(西口)の撤退とそれに伴う人の流れと街の変化だ。どう考えても、春日部周辺に大規模な店舗3店が競合できるほどの商圏があるとは思えない。いずれ、どれかが立ち行かなくなって撤退するのではないか。人の流れが変われば、街の様相も変わってしまう。それがどの程度であるのか。街の一部がゴーストタウン化することにならないか。

 実はこれには対応計画があるとも聞く。国道16号と国道4号のバイパスが交差するあたりに、似たような大規模商業施設が計画されているのは、ご存知の方も多いだろう。この新施設に「ロビンソン百貨店」を持っていってしまおうという案だ。しかし、東口に「ロビンソン百貨店」がなくなると、東口は間違いなく寂れてしまうだろう。西口に1店、東口に1店が理想なのだが。

 もちろん、「ララガーデン春日部」に対する信頼感の薄さも不安の原因だ。運営は利に聡い大企業だ。客足があまりよくないと判断したら、さっさと撤退してしまうのではないか。あれだけの建物を取り壊すにも相当な出費だろう。あの状態で撤退されてしまったら、それこそゴーストタウンが出来上がる。治安は悪化の一途だろう。

 そんな中、8月10日のWeb埼玉でとうとうオープンの詳しい日時が掲載された。

 春日部駅西口の大型民間商業施設「ララガーデン春日部」が十一月八日にオープンすることが決まった。三井不動産(本社・東京都中央区)が建設中の都市近郊生活者向け商業施設で、県内初進出となる。

 地上六階建てで、延べ床面積は約六万三千平方メートル。春日部が舞台となっている人気アニメ「クレヨンしんちゃん」をテーマにした日本初のアミューズメントパークをはじめ、▽九スクリーン千八百席のシネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマ」▽百貨店「三越春日部」▽食品スーパー「リブレ京成フードプラザ」など、テラス席を配置したレストランなど八十八店舗が入る。うち二十六店舗が県内初進出だという。施設は三層吹き抜けの開放的なオープンモール。中心には春日部駅西口にある藤棚をイメージした大屋根をデザインした。

 三井不動産は「地元ファミリーやシニア層、学生らの高度化・多様化するライフスタイルに対応し、地域コミュニティの核となるような快適で楽しい施設を目指す」としている。

 期待と不安がない交ぜ状態だ。もちろん、消費者の観点からは期待ばかりなのだが、街づくりの観点から見ると、あのような大きな郊外型店舗が市街地にデンと座るのは、あまり望ましくないように思ってしまう。今後のモデルケースになるのかもしれない。生暖かく見守りたい。

 「クレヨンしんちゃん」のアミューズメントパーク、「三越春日部」……、なんだかイヤな予感がするのだが。

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