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2007年9月の17件の記事

2007.09.27

ドラマ評 『医龍~Team Medical Dragon~』 坂口憲二

医龍~Team Medical Dragon~ DVD-BOX医龍~Team Medical Dragon~ DVD-BOX
坂口憲二 乃木坂太郎 稲森いずみ

ポニーキャニオン 2006-10-27
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 ぽすれんから、NO.4が届いたのが昨日。夜10時近くになって、一話だけみようかな、と思ったのが運の尽き。結局、NO.6まで全部観るハメに。おかげで、今日はヘロヘロ朦朧で、仕事にならなかった。体力が落ちると、途端にアレルギーがひどくなって、関節が痛み出す始末。最低。

 それでも、ドラマの出来が良かったので救われたかな。善悪の捉え方にちょっとばかり捻りがあって、一筋縄ではいかない医者たちがとても生き生きとしていた。見え見えのあざとい演出も多々あったけど、荒唐無稽に堕することなく、結果的に見れば割と手堅かったと思う。

 ストーリィは万全ですね。ぼくは原作は読んだことがないのだけれど、これだけの権謀術数渦巻く骨太な物語はやっぱり原作あればこそでしょう。一転二転する物語のおもしろさは格別で、ここにまた戯画的ではあるけれど、特異な人物たちが絡んで更におもしろさが増した。

 人物たちでは、なんといっても野口教授を演じた岸辺一徳でしょう。このエキセントリックな小悪党が実に良かった。名優ですね。ばかりでなく、夏木マリや阿部サダヲという脇役陣が光っていて、この名優たちがドラマに何倍もの深みを与えていた。

 問題は主役の坂口憲二。『池袋ウェストゲートパーク』のころからまったく進歩していない。これだけおいしい演じ甲斐のある役をこの程度にしか演じることができない役者は、もはや役者とは言わない。申し訳ないが、学芸会レベル。まず、発声から鍛え直した方が良いでしょう。役者の発声じゃない。

 もうひとり、里原ミキ役の水川あさみも良くなかった。主役ふたりがこれだけ大根であるにも関わらず、それなりの成功を収めることができたのは、一にも二にも原作と脇役陣のおかげでしょう。

 10月からパート2が始まる。現代の医療問題を鋭く抉るオリジナルストーリィだそうで、教授になった加藤晶は登場しないようだ。ザッとサイトを見ただけだけど、期待しない方が良さそう。現代の医療問題を斬るドラマなんて、掃いて捨てるほどある。あんまり大上段に構えない方がいいと思うんだけど。

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2007.09.26

朝日新聞の思惑通りの結果へ 「アベしちゃおうかな」

 「痛いニュース」で見かけた朝日新聞の記事とそれを巡る一連の動き。

 青白い顔、張りない声 おわびで幕 安倍首相会見
 …
 コラムニストの石原壮一郎さんは「自分勝手な美学で情報を隠し、国民を混乱させた」と話す。

 辞任時に体調不良を明らかにしていれば無用な混乱はなく、イメージダウンも防げたのではないかと指摘する。

 「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」
 …

 念のため魚拓も貼っておく。

 コラムニストの発言として、「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる」とある。この発言の掲載の仕方も嫌らしいのだが、それは置いておくとして、このコラムが掲載された時点(2007年09月25日00時02分)で、ネット検索しても一件もヒットしなかった。ネット検索で一件もヒットしない言葉を「流行語」とは呼ばない。これも、魚拓を取った方が「痛いニュース」に貼り付けてくれたので、転載させてもらう。

 Google"アベしちゃお"の検索結果 1 件中 1 - 1 件目 (0.03 秒)

 「アベする」だとこんな感じ。

 Google"アベする"の検索結果 6 件中 1 - 6 件目 (0.03 秒)

 それが丸一日ちょっと経った2007年9月26日午前5時20分現在だと、

 Google"アベしちゃお" の検索結果 約 3,000 件中 1 - 10 件目 (0.15 秒)

 一気に約3,000件ですよ。

 「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。…」の前に改行をふたつ入れているのが最もイヤらしい。強調したい意図なのだろうが、結果主語を曖昧にして、さも多くの「われわれ」の耳に聞こえているような錯覚を起こさせる詐術だ。

 こうして世論は作られるという例。ふざけた話だと思う。
 今朝の検索でいくつかのサイトを拾い読みしてみると、朝日の報道に乗せられていない方が多くてちょっと安心した。しかし、そんな方ばかりじゃないので。

 大新聞・マスコミはこんなことをやっているから、多くの人たちからそっぽを向かれ始めているのだ。それにも関わらず、衆人監視のネットで堂々と間抜けなことをやらかす。結局、気がついていないのだね。痛いな。

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2007.09.21

週刊ダイヤモンド「新聞没落」

Dw_h_3

 週刊ダイヤモンドの「新聞没落」という特集が凄まじかった。まあ、自分は半分は中の人なので、たいていは見知っていることばっかりだけど、こういう記事が週刊ダイヤモンドに掲載された意義は大きいと言わざるを得ない。ついにここまで来たか、という気持ちだ。

 ここで指摘されているのはどれも大きな問題だが、最大の問題点は「押し紙」だと思う。3000枚と自称している販売店も、実際は2000枚程度しかないかもしれないのだ。1000枚分の折込料は詐取していることになる。しかし、この期に及んで、大新聞各紙は不毛な販売競争に明け暮れるばかりで、現状を理解し改革しようともしない。

 この業界に自浄作用を期待するのは無理なのだろう。この夏に販売店ごとの新しい数字が出た。露出した販売店の持ち部数は、あくまでも「販売店の自己申告」だそうだ。何がどこが自己申告なのかさっぱりわからない。販売店にムダ紙を押し付け、新聞折込のスポンサーに対して詐欺行為を行い続けている。

 更に押し紙によって、コストがかさむ。それらすべてが、新聞の価格に反映されている。読売新聞は発行1000万部などと豪語しているが、実際は700万程度かもしれないのだ。300万部を印刷するコストはすべてムダな経費になる。こういう産業はいずれ立ち行かなくなる。社会の流れに逆らえない。
 
 しかも、新聞購読率が落ち続けている。これは紛れもない事実だ。東京23区では、50%を切っている地域もあるくらい。新聞を購読していない家庭で育った子どもは、未来においても新聞を購読する確率は非常に少ない。こうして自宅で新聞を取る習慣はなくなってゆく。

 こういった販売の面からの問題点ばかりでなく、スポンサーを意識するために起こる自主的な報道規制とか、思想的な偏向報道や、ネットの発達によるマスコミ自体の意義など、週刊ダイヤモンドが指摘しなかった問題点もある。自分を守るために汲々とする業界は、没落する。新聞各社は謙虚に受け止めてなくてはならない。

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2007.09.19

書評 『犯人に告ぐ』 雫井脩介

犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)

双葉社 2007-09-13
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 2004年に刊行され、ミステリ好きの間で話題になった作品。その年の「このミス」で8位にランクインした。2007年には豊川悦司主演で映画化され、10月に公開される。気にはなっていたが未読だった。映画化に合わせて文庫化されたので、読むことができた初めての雫井脩介作品。

 初めて読んだ雫井作品は、横浜を舞台にした警察小説だった。主人公は警視の巻島史彦。6年前に起こった幼児誘拐殺人事件で大失態を演じ、神奈川県西部に左遷されている。巻島の大失態を境に、神奈川県警は不祥事が噴出し権威は地に堕ちていた。そんなとき、川崎で男児連続殺人事件が起こる。しかし、事件は解決の糸口さえ見つからない。

 川崎の事件発生から1年が過ぎたあと、着任した県警本部長がテレビで公開捜査を行うという突飛なアイディアを出す。これに抜擢されたのが、飛ばされていた巻島史彦だった。ダンディな巻島は、テレビで犯人に呼びかけ、一大センセーションを巻き起こす。果たして、犯人は炙り出されるのか……。

 一読して、作者のファンになった。ともかく、ストーリィ作りが抜群にうまい。現在と過去に起こった二つの凶悪事件を絡ませて、重厚な物語を描き出している。ひとつの事件でテレビを使った公開捜査を行うのだが、これだけでなく、事件の扱い方が過去に読んだことのないような描き方と構成で描かれ、何度も虚を衝かれた。

 ミステリ好きな方なら、主人公の巻島史彦警視の孫に目がいくはずだ。年格好からして、この孫が後半大きな展開をもたらすだろうことは容易に予測がつく。ぼくも、ある予断を持って読んだ。しかし、これが見事に裏切られる。しかし、作者が選んだ展開がまた良かった。若干盛り上がりには欠けるが、ほろ苦くて胸の痛むラストにつながる。

 ラストまで読んで、ちょっと大げさだがローレンス・ブロックの名作『八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)』を思い出していた。なかなか言えなかった一言。過去の間違った自分を認める作業は難しい。涙と共に吐かれたマット・スカダーの言葉が巻島史彦の言葉と重なった。そういう意味から言えば、本書は警察を舞台にした人間の成長ドラマでもある。

 人物造型はどうだろう。食えない県警本部長やキャリアの上司、巻島を支える老刑事が印象に残った。しかし、この3人もどこかステレオタイプで、強烈な印象はない。最も残念なのは、巻島本人がどうもしっくりとこないことだ。工夫を凝らしているのだが、どうしても朧な像しか結ばない。今後の課題だろうか。

 それと犯人だ。これだけの大事件を起こした犯人なのに、あまりにあっけなくはないか。動機は何なのか。もし、本当に快楽殺人なら、毎月のように犯行に及んでいた犯人が、1年も我慢できるはずがない。このあたりの犯人像にもっと力を入れるべきだった。対極を描けば、正義はもっと重厚になるのだ。伏線は張っている。しかし、納得できない。全体が劇画チックに過ぎるのも不満だろうか。

 読了後、こうして考えれば不満は多々ある。物語全体を見れば中だるみもあるし、現実では起こりえない展開も多く、また小説的妙味を盛り込み過ぎて焦点がぼやけてしまった感は否めない。しかし、それを補って余りあるおもしろさなのは間違いない。好きなタイプの作家なので、追いかけてみたくなった。著作もまだ少ないみたいだしね。

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2007.09.18

コナリー邦訳作品累計100万部突破だって

 Amazonで見たら、マイクル・コナリーの最新作『終決者たち(上・下) 』が、発売して数日しか経っていないのに「通常4~5日以内に発送します。」だった。売れているのか、それとも初刷が少ないのか。mixiには、前作『天使と罪の街(上・下)』のときも、なかなか買えなかったという書き込みがあった。そこそこ売れているのかな?

 『終決者たち(上・下) 』のオビには、「コナリー邦訳作品 累計100万部突破!」「ボッシュ・シリーズ 累計80万部突破!」とある。知らなかった。こんなに売れていたんだ。出版不況と言われて久しい時代に、これだけ売れたら「ドル箱」じゃないか。シリーズだけに、ある程度の数字は見込めるわけだし。まあ、小さい「ドル箱」だが。

 しばらくしてなんとなく違和感が漂いはじめた。講談社からは、過去4作しか出ていない。まさか、たったの4作で100万部? それはありえないでしょう? それに、「累計」というからには「累計」なんだから、講談社だけじゃなくて扶桑社と早川書房をあわせた全数という認識で良いと思うが、どうなんだろうか。

 ということは、こういう数字って、出版界で共有しているものなのか。扶桑社のヤツも早川のヤツも、全部にこんなオビをつけて書店に並ばれるとものすごくカッコ悪いんだが……。

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2007.09.17

「家族サービス」のホンネって?

 ガンバ大阪が負けて、勝ち点差が4に広がった。名古屋に惨敗した鹿島との勝ち点差は10。これから厳しい日程だから、こうして相手がコケてくれるのはとても助かる。

 異様に早い時間に目が醒めてしまったので、あてもなくネットを眺めていたら、こんな記事があった。

 坪井28歳、ACLでの活躍を誓う
 浦和DF坪井慶介が、自らの誕生日にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝での活躍を誓った。19日にホームで全北現代(韓国)戦を控えた16日、28歳のバースデイを迎えた。午前練習後には「誕生日といっても家族サービスですね」と照れ笑いを浮かべたが、すでにACLに向けて気持ちの高ぶりがある。(日刊スポーツより)

 揚げ足をとるわけじゃないけど、坪井のこの一言「家族サービス」に思わず苦笑いしてしまった。家族と過ごす貴重な時間のことを、こんな風に言う男がたくさんいる。坪井の場合救いがあるのは、「照れ笑い」とセットになっている点だ。照れ隠しならまだいい。家族と過ごす貴重な時間を臆面もなく「サービス」などと言う男とは、ネットでも実生活でもあまりお近付きになりたくない。

 「家族サービス」でググると107万件もヒットする。「家族サービスに専念」「休日に家族サービスをするのは父親の責任」「家族サービスで忙しい」「週末は家族サービス」「家族で思い出作り(家族サービス)」「格安で家族サービスにピッタリの宿」「休日は家族サービスをし、子供の世話をするようにしている」……etc

 サービス
 人のために力を尽くすこと。奉仕。「休日は家族に―する」(Yahoo!辞書より)
 家族サービス
 休日を潰して家族の為に奉仕する活動(はてなダイアリーより)

 世の中、いろんな家族がいるんだろうけど、これだけは理解できない。ぼくの場合、家族に奉仕してもらっているという意識はあっても、家族に奉仕しているという意識は微塵もない。もっと言えば、休日には「子どもたちに話し相手になってもらっている」、または「子どもたちに遊んでもらっている」という意識しかない。

 もちろん、ひとりの時間は欲しい。だから、こうして休日も早起きをする、っていうか、トシのせいか長く寝ていられない(笑)。朝の数時間がひとりの時間で、ひとりの時間はこれ以上いらない。本も読みたいけど、家族と過ごす方が何倍も楽しいので、休日に読書をしたいとも思わない。最も癒される時間なのだ。家族に言わせると、しょっちゅうパソコンに向かっているらしいが…。

 クルマのCMでありがちな、休日に家族と出かける父親は最高、みたいな価値観の押し売りをするつもりはない。どこに出かけても、子どもよりもぼくの方が明らかに楽しんでいるわけで。遠出をしたとき、子どもたちが「楽しい」とかいうと、こっちはもっともっと楽しくなるわけで。結果、子どもたちに楽しませてもらっているのはこっちなのですよ。

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2007.09.14

トラックバックは終わったかな

 6月29日に再開してまだ3ヶ月にもならないが、すでに「コメント/トラックバック規制」に入れたIPアドレスが軽く100を超えている。最近の傾向として、「○○の研究」「○○についての調査」「○○についての噂」などとタイトルをつけて、関連したブログの記事のさわりを集めているだけのブログが目立つ。こういうのを作るツールがあるんですかね? RSSを利用しているのかな?

 最初は迷った。相手のサイトを見にいけば、確かに自分のエントリーに関係したことが書いてはある。でも、ブログなのに、その開設者の自分の言葉が載っていない。たまに書いてあっても、どこかからコピペかリライトしたようなマニュアルっぽい文章がいくつか並ぶだけ。そんな薄いブログで、アフィリエイトだけはしっかりやっていたりする。

 まともなトラバ率は10%以下だ。正確には8.8%。トラックバックは終わりましたね。これじゃ、真面目にブログやっているヤツに負担を強いるだけだ。消さないでほったらかしにしているかたも多いようだが、ぼくはそうやってブログを汚すのは我慢ならない。

 承認制にしようかと思ったが、結局見に行って調べる手間は同じ。面倒くさい。ただ、ありがたいトラバをいただいているのも事実。すばらしいコミュニケーションツールであるのも事実。どうしようか、思案中です。ちょっとばかり疲れた。

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2007.09.13

安倍さんの左まぶた

 何度も流される安倍総理の会見を見ていて、違和感を持った。顔の造作がいつにもましてバランス悪い。原因は、左のまぶただった。テレビカメラは安倍さんの正面と右横に設置されていて、正面と右から見た斜めの横顔を切り替えして流していた。右斜めといっても真横ではないので、左のまぶたが強調される。

 安倍さんの左まぶたは、かなり腫れていた。右からの映像で確認して、正面を見ると左右の目のバランスがいつもよりとても悪い。元々左目の腫れぼったい方だが、いつもよりかなり腫れているように思えた。ググってみても、噂される病気とは関係がないようだが、身体に相当な異変があったように見受けられた。

 最近の動向として流された映像を見ても、表情が乏しく生気が薄い。特にブッシュ大統領との握手の場面では、視線が定まらず目が泳いでいたような印象だ。まさか、恣意的にそんな映像ばかり選んだとも思えないが、どの映像も視線の定まらないものが多く、こうしてある予断を持ってみると納得できる映像ばかりだった。

 小泉さんの政治手法に乗っけられて、あれよあれよと総理にまで上り詰めてしまった方、そんな印象しかない。それでも、確かに決断力には乏しかったが、保守政党の総理としては理念を掲げて、短い期間なりの成果は残したのではないかと思う。辞任のタイミングは最悪だった。いまごろ、肩の荷を降ろしてホッとしているのかな。

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2007.09.12

書評 『フラット革命』 佐々木俊尚

フラット革命フラット革命

講談社 2007-08-07
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 インターネットの未来を語ると、社会学のような様相を呈してくるからおもしろい。それは、インターネットというメディアが、過去のメディアにない特性があるからで、なおかつその特性が社会構造を変革してしまうほどの力を持っているからだ。本書は、インターネットが社会にどういう影響を与えているか、その行く手には何が待ち構えているかを探っている。

 作者はインターネットに造詣が深く、過去にネット関連の書籍を何冊も著している気鋭のジャーナリストであり、つい最近まで毎日新聞に席を置く新聞記者でもあった。インターネットの影響を真っ先に被っているのはマスコミであるから、未来を語るのにこれほどふさわしい人材もいないのではないかと思わせる。

 CNET Japanの「佐々木俊尚 ジャーナリストの視点」というブログにたまに記事を書いていらっしゃるのだが、2007年春にいわゆる「死ぬ死ぬ詐欺」について、毎日新聞が掲載した記事とその取材方法全般について、非常に興味深い記事を書かれた。これがものすごくおもしろく、興味深かった。

 この一連のやりとりをふくらませて第一章にもってきている。マスコミがネットに対して持っている偏見が、これを読むと非常によくわかる。しかし、これを社会は許容しない。ネット隆盛を尻目に見ながら、大新聞は没落していくしかないのか。マスコミは大衆の信頼を失い、失墜していくしかないのか。元新聞社の記者だけに、非常に興味深い論考となっている。

 つまり、ネットが日常的な情報インフラとなったことで、大新聞などが持っていた権威が揺らいでいるということなのだ。誰もが情報を発信でき、誰もが大新聞などの権威に対して異を唱えることができ、更にそのプロセスを掲示板やブログなどで誰でも見られるようになった時代。これを作者は「フラット革命」と呼んでいる。

 第二章第三章では、個人と社会とのつながりを思考しながら、日本人の属人的意識を分析する。自己は確立されているか、ということを繰り返し述べる。更に、ネット時代の人間関係のあり方に踏み込み、多くの人々が参加するネット上の言論が、一見勝手気ままに見えるようで、実は正しい方向に向かっているのではないか、という「集合知」的なアプローチがなされる。

 そして、本書の主眼である第四章「公共性を誰が保証するのか」に進む。いままで、大新聞大マスコミが担保していた「公共性」を、フラットになった社会では誰が担保するのか、何を信用して何を無視すれば良いのかを検証してゆく。これが最も難しい部分で、未来予測の部分である。

 しかしながら、作者が導き出したネット上の「公共性の担保」はとても脆弱に見える。ぼく自身は「集合知」についても俄かには承服できない部分があるので、更にネット上での可視性のコミュニケーションそのものが「公共性の担保」といわれてもピンとこない。もっと何かあるのはないか、もっと別の方法があるのではないかと思ってしまう。

 過去にから現在にかけてのネット界の動きについての分析は鮮やかで、とてもおもしろかった。ただ、第二章第三章が弱い。特に第三章は恣意的で、登場する人物たちがとてもイヤらしい人間のように見えてしまう。彼らは自分のマイミクたちをコントロールしているつもりなのか? マイミクは彼らのおもちゃか? ぼくが彼らのマイミクなら、すぐに縁切りをしたくなるような記述だった。不快感しか残らない。

 作者の本は新書で何冊か読んだことがある。正直、いきなりのハードカバーでびっくりした。多少の不満はあるが、それだけの価値はあるのではないかと思う。こういった書籍の役割は、過去から現在の事象を系統立てて整理整頓し俯瞰し、普遍化することだと思うので、最低限その役割は果たしているのではないかと思う。

 インターネットが社会に及ぼす影響と、今後社会がどう変質していくのかについてはすぐには答えは出ないし、正直言って誰にもわからないだろう。動物でも何でも、突然変異が進化に大きな役割を果たすのは知られている。ぼくは、何か突然変異が現れるのではないかと思っている。そんなことを考えさせるだけでも、本書を読む価値はあると思う。

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2007.09.11

光中(ぴかちゅう)世歩玲(せふれ)羽姫芽(わきが)亜菜瑠(あなる)…orz

 最近、どこかの会社が発表した子どもの名前ランキングに「天使」というのがあった。読み方は「えんじぇる」……orz。確か女の子の名前ランキングの10位くらいだったと思う。で、あちこち見て回っていたら、こんなサイトがあった。夢星(むせい)光中(ぴかちゅう)樹茶(きてぃちゃん)世歩玲(せふれ)羽姫芽(わきが)亜菜瑠(あなる)…orz。セフレだのアナルだの、なんでもありだな。

 子どもの名前に関しては、ちょっと前に呉智英のコラムが話題になった。このコラムは、本人が考えた以上に「釣り」の要素が濃いように思うし、じゃなければ、バイアスかかりまくりだと思うのであまり参考にはならないんだが、少なからずそういう要素はあるんじゃないかと思わせる、うまくてイヤらしいロジックのトリックだった。

 実際は、「低所得・低学歴層に変な名前を付ける親が多く、変な名前の子供は教育レベルも低い」なんてことは誰も証明していないし、「変」という個人の主観に頼った判断が「普遍的」な判断基準になりえないのは、誰もが理解しているところだ。ただ、まあ、明らかに「変」なのはあるわけだが。

 こんな曖昧な価値判断をより所にして、自分もそう思うからあっち側だ良かった、と安心する。大概は勘違いなのだが、日本人に多い属人的意識を逆手にとったイヤらしいトリックだよね。格差社会をこうして煽っているんだよな。……などと子どもふたりに読みにくい名前をつけたヤツが、まあ、言ってみたくなるわけです。

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2007.09.09

映画評 『ALWAYS 三丁目の夕日』

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版ALWAYS 三丁目の夕日 通常版
山崎貴 西岸良平

バップ 2006-06-09
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 とてもよく出来ている。なんといっても、ミニチュアとCGで再現された(らしい)昭和33年の東京の街並みに驚かされた。建設中の東京タワー、都電と都電が走る道路、上野駅ホームと発着する蒸気機関車のC62、道路を走るクラシックなクルマ、銀座の街並みなど、DVDを22インチ程度の画面で観たからか、どこまで実写かまったくわからなかった。じゃあ、映画館で観たらわかるのかと聞かれても、自信がない。とてもよく出来ていた。

 事前情報によれば、ともかく素直な気持ちで観る必要があるらしいので、心を平らかにして観た。そして、素直に感動させてもらった。アラは探せばいくらでもある。某新聞社が「徹底的に昭和30年代を美化して、感動させ泣かせる映画である」というような批判を展開したらしいが、そんなのは観れば誰だってわかることだ。

 しかし、その一点だけで、こんなすばらしい映画を批判する気持ちは起きない。感動させようとしているのは事実だし、ちょっとばかりあざといのも事実だ。エンターテイメントである以上、そんなのは当然のことなのだ。感動させてナンボ、お客さんの涙を絞ってナンボなのである。あざとさの程度と表現が問題なのだ。

 余談だが、ぼくはある時期から、浅田次郎の作品が読めなくなってしまった。直木賞を受賞したころまでの浅田は、ぼくが勝手に命名した「寸止め作家」だった。あざとさ&お涙頂戴が、度を越す直前で見事に「寸止め」された物語を書く「寸止め作家」だったのだ。わかっていても泣かされる、そんな物語を書く作家。

 しかし、直木賞受賞を境に彼は寸止めができなくなった。プレッシャーだったのかもしれない。読む作品どれも度を越したあざとさに堕ち込んでいった。浅田次郎の小説では、泣けなくなった。なぜか考えたことがある。結局、登場人物をいかに自然に動かすかなのだ。どうやって自然に登場人物たちに感情移入してもらうかなのだ。

 安易に動く登場人物たちに、読み手は簡単に感情移入できない。涙を誘う登場人物たちの行動は、彼らの持つ背景に裏打ちされた矜持に基づく行動でなければならない。自然なパターンを使い尽くしたのかもしれないし、読み手であるぼく自身の変化かもしれない。ぼくはいまでも浅田次郎の近作を読むことができない。

 こう考えてくると、この映画の作り方を容認できるのも、初体験という理由が大きいかも知れない。映画の設定が斬新で郷愁を誘われ、活き活きとして心豊かであるように見える登場人物たちが織り成す群像劇に心を打たれた。虚を衝かれたような状態だったのだろうか。う~ん、違うな、この映画は本当に愛すべき映画だと思う。

 2007年11月に続編が公開される。得てして、続編は感動の第一作が与えた夢を壊してしまうものだ。第一作を観た観客に寸止めは難しい。ファンタジーとして昇華させるのは、もっと難しい。宝物のような映画だったから、安易な続編で夢を壊されたくない。観るべきか観ざるべきか…。杞憂かな?

 監督の山崎貴の過去2作品(『ALWAYS 三丁目の夕日』は監督3作目)と、映画で大活躍したダイハツミゼットの鈴木オートバージョン(映画の舞台)を。『ジュブナイル』は子どもたちと小型ロボット”テトラ”の物語。ロボットのCGがすごかった。『リターナー』は未見。SF・アクション大作らしい。評価は真っ二つ。評論家によっては「山崎貴はハリウッドでもやっていける」と言われたとか。

ジュブナイルReturner リターナー
トミカリミテッド ALWAYS 続・三丁目の夕日 ダイハツミゼット

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2007.09.08

コナリー『終決者たち』がAmazonで予約可能に

終決者たち(上) (講談社文庫)終決者たち(下) (講談社文庫)

 昨日書いたマイクル・コナリーの『終決者たち』が、やっとAmazonで予約可能になった。
 
 ハリー・ボッシュ=シリーズ数えて11作目は、地味だが滋味溢れる捜査小説に仕上がっている。17年前の少女殺害事件を再捜査するのだから当然の展開だが、前半部分はひたすら調書を読んで関係者にインタビューを行う。こうして、徐々に明らかになる家族の哀しい秘密。

 毎度ながら、コナリーはとんでもない力技を見せる。中盤を過ぎればもう一気読み。未解決事件が関係者に及ぼした17年が痛い。……などと書いてみたが、原書で読んだのは2年も前で、しかも高校生以下の英語力なので、どの程度読み取れているかは、古沢訳を読んで再確認いたします。

 上下2巻買って、計ったように1500円。これ、偶然じゃないでしょ?

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プールのスター

 昨日は代休。久しぶりにカミさんと映画でも行こうかと思っていたんだけど、次男の学校が台風で臨時休校だった。過剰反応だと思うんだけどな。しょうがないので、午前中はたまっているDVDの中から『ALWAYS 三丁目の夕日』を観て、懸案の度付きスイミングゴーグルを買って、その後定期の通院。ゴーグルを試したい好奇心に逆らえず、午後はプールで1時間泳いできた。

 度付きのスイミングゴーグルは「アルペン」で簡単に買うことができた。ゴーグルの度は、-1.0 -1.5 -2.0……-8.0という具合にかなり大雑把。用意してあるレンズをあててみて、自分で選ぶ。だいたい、水泳のときに度付きゴーグルが必要だと思うような人は眼鏡を買い慣れているだろうから、微妙な見え具合も自分で判断することができる、はず。事前に行き着けの眼鏡店に寄って、度をメモするのを忘れちゃったんだけど、そんなのは全然必要なかった。

 良く見える新しいスイミングゴーグルをかけての水泳は、心躍る体験だった。なんせ、プールの隅から隅まで見えるんだからね。平日のプールはご高齢な方々ばっかりで、子どもがひとりもいない。子どものいない静かなプールって、最初は違和感があって、おかしな気分だった。そんなプールで、良く見えるゴーグルをかけて、目標である「ゆっくり長く泳ぐ」を実行してきた。

 で、昨日もいたのです。バタフライをカッコ良く泳ぐプールのスターが。ネクタイを取ったクールビズスタイルのサラリーマンらしき方だったけど、プールに入るなり折り返しのコースでバタフライを始めた。プールに通い始めたばかりのころは、こんなプールでバタフライなんて悪趣味な自己顕示欲、くらいにしか思っていなかったけど、いまは若干違う。

 バタフライを人前で堂々と泳げることはすばらしい。上司にアホだバカだと言われようが、取引先のバカに理不尽な要求をされようが、カミさんに粗大ゴミと言われようが、加齢臭が気になろうが、彼は華麗にバタフライを泳ぐことができるのだ。プールに来ればスターなのだ。人前で堂々とバタフライで泳ぐことは本当にすばらしい。

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2007.09.07

マイクル・コナリー 『終決者たち』

 マイクル・コナリーの新刊『終決者たち』(原題 The Closers)が9月14日に発売されるので、先週からずっとウォッチしているが、なかなかAmazonで予約可能にならない(9/8になって、予約が可能になった。)。予約のタイミングってこんなものでしたっけ? ほぼ同時期に文庫化される雫井脩介の『犯人に告ぐ』もまだのようだから、こんなものなのかもしれませんね。 来週でしょうか。

 『終決者たち』は、現代最高のハードボイルドシリーズであるハリー・ボッシュ=シリーズの第11作目にあたる。『シティ・オブ・ボーンズ』で退職を決意し、『暗く聖なる夜』(上・下)からボランティアの探偵のようなことを始めたハリー・ボッシュが現役復帰し、天敵が失脚したあとのロス市警で未決事件を捜査するセクションに配属される。同時に元相棒のキズミン・ライダーも現場復帰し、共に17年前の少女殺害事件を再捜査することになる。

 シリーズの翻訳をなさっている古沢嘉通さんの情報によれば、『The Closers』の書評にも書いたとおり、退職したハリー・ボッシュに対して、現実のロス市警から強力なオファーがあったらしい。実際のロス市警に復職プログラムができて、アメリカでは揺るぎない地位を築いているハリー・ボッシュに一役買ってもらいたかったようだ。

 本国ではそれほどの人気シリーズだ。しかし、わが日本ではどうもイマイチ。ハードボイルドというジャンルが希少種な上、翻訳物となるとなかなか手を出してくれない。お手ごろな奇形国産本格推理小説ばかりじゃ飽きると思うのだが、リアルの本好き友人に聞いても、コナリーを読んでいる人などひとりもいない。

 だから、ハードボイルド好きはネット上に多く棲息している。最近読んだWEB関係の本によれば、「実生活に満足していない人」がネットに活路を求める傾向が強いそうで、昔のニフティの「冒険小説&ハードボイルドフォーラム(通称FADV)」なんてその典型だった。いまはニフティによって、閉鎖されてしまったが。

 ちなみに、mixiでマイクル・コナリーのコミュニティをやってます。最近、放ったらかしですが、一応管理人です。コミュには前述の古沢嘉通さんや『バッドラック・ムーン』〈上・下〉を翻訳された木村二郎さんも顔をだしてくれます。おふたりともネット歴が長いしね。

 最後に、Amazonで検索してちょっとうれしかったことを書いておこうかな。「マイクル・コナリー」で検索して、「売れている順」に並べ替えるとこんな結果になった。1位と2位の『ナイトホークス』〈上・下〉は、マイクル・コナリーのデビュー作で、ハリー・ボッシュ刑事の登場作品でもあるのです。mixiでも最近読み始めたという人の書き込みをよく見るし、新しいファンを獲得しつつあるのかな。

PS:9/8になって、予約が可能になった。

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2007.09.06

書評 『「世界征服」は可能か?』 岡田斗司夫

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

筑摩書房 2007-06
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 例の『いつまでもデブと思うなよ』と抱き合わせて買った本。表題の通り、「世界征服」を考えながら、最終的には善と悪の本質に迫る怪作だった。

 まず、なぜ「世界征服」をしたいのか? という命題を、古今東西のアニメや映画の「世界征服を目論む悪の結社」を題材に探る。これがもう、すごいのです。ともかく詳しい。そして笑える。オタキングのアニメや映画などの広範で深い知識に驚くばかり。そして、類稀な視点に驚くばかりだった。

 まず、支配者の4つをタイプに分類する。そして、支配者のタイプごとに検証する。その4タイプとは

A 魔王タイプ (ex.『レインボーマン』の「死ね死ね団」)
B 独裁者タイプ (ex.『DEATH NOTE』の「夜神月」)
C 王様タイプ (ex.『ドラゴンボール』の「レッドリボン軍総帥」)
D 黒幕タイプ (ex.『007シリーズ』の「スペクター」)

 このあたりはオタキングの洞察の深さに爆笑の連続。すばらしい。

 こうして支配者のタイプをおさらいした後、具体的な「世界征服」の手順を探る。これがまた秀逸。前章から、どこまで本気かわからない雰囲気を引きずったまま、大真面目に「世界征服」のための「人材確保」や「資金の調達と設備投資」「作戦と武装」などについて語る。ともかく、電車の中で読んではいけない。

 こうして最終章「世界征服は可能か?」になだれ込む。岡田が思索の末に導き出した最終的な支配者像は、それほど目新しいものではないと思う。たとえば、「ゴッドファーザー partII」で描かれた、マイケル・コルレオーネの孤独に通じるような。

 しかし、本題はそこにはない。本題は最終章で語られる「悪」の本質である。見事だった。ここまで見事に「悪」の本質を看破した本は読んだことがない。あまりに斬新で、デフォルメが過ぎて、俄かには納得できな部分もあるが、貧弱な頭を巡らせて見れば度合いは別にしても納得せざるを得ない。

 これはまったく新しい社会学の登場かもしれない。ぼくは岡田斗司夫の旧作を読んだことがないが、本書をあとがきまで読んで猛烈に読みたくなった。

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2007.09.05

書評 『消えるサイト、生き残るサイト』 宇都雅史

消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ!消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ!

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 本書は、ネット上に跋扈している安易な「SEO対策」に一石を投じ、正しい「SEO対策」についてサイト運営者を啓蒙しようという意図で書かれたとのこと。企業経営者にありがちな単なる集客本かと思ったら、なかなか読ませる内容だった。グレー部分が多い「SEO対策」について、常々疑問に思っていたことに見事な答えをいただくことができた。

 ブログやサイトなどをやっている方ならば、検索エンジンの威力は充分にわかっていると思う。日々多種多様な「キーワード」で検索され、その検索結果からたくさんの方々が訪問してくれる。ぼくらが貧弱な脳みそで推測したキーワードなど、遥か置き去りにする多彩さだ。

 ちょっと前までは、ネット上で情報を探すときはYahoo!のディレクトリから辿ることが普通だった。しかし、Googleなどの文書検索技術が進歩したことによって、図書館の蔵書目録のようなYahoo!から、検索エンジンはその中身の文章まで正確に検索できる、ハイパーな全能神のような存在になった。

 通常、検索した方が見るのは結果の3ページ目までと言われている。上位30位。しかし、これではネットを使って商売している方にとっては不足だ。自分の商売にとって有益な「キーワード」の検索結果でベスト10、あるいはベスト5くらいに入ると、集客力は一気にアップする。

 そこで、登場したのが「検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)」だ。検索結果ページの上位に表示させる技術で、それぞれの頭文字から「SEO対策」などと呼ばれている。どうやったら検索結果の上位に表示されるかなんて、GoogleもYahoo!も公開していない。だから、本当に確実なことなど何もない。

 しかし、ネット上では「SEO対策」専門の業者がひしめいている。風評と経験によって、検索結果上位表示を可能にした会社がほとんどなのだが、正直言って、怪しそうなところがとても多い。ちょっと目端が利いて、ネットの経験がある人ならばわかりそうなものだが、世の中そんな人ばかりではない。

 このあたりを、実際に「SEO対策」の会社を経営して、多くの優良サイト作りに尽力した作者が説いている。ボッたくられるな、騙されるな、と。つまり、本書が薦める「SEO対策」の基本は、安易な小手先の技術に走るなということ。このあたりが、とても買える本だと思う。『「王道サイト」のつくり方』とあるが、まさにそれを実践していらっしゃる。

 ところが、これを読んでも、明日から即実行可能で具体的な「SEO対策」については明快な答えをもらえない。「SEO対策」の基礎の基礎なのだから当然なのだが、淡い期待を持つとがっかりしてしまう。それに、文章が自己陶酔型でヘタクソで、その上スカスカ。論理の展開も、自分の顧客の例を引いているせいもあって、抽象的な記述が多くて、俄かには信用できない部分もある。しかし、検索エンジン対策を通して、正しい商売をしようという熱意は特筆に値する。

 本書を支えているのは、この熱意である。ヘタな文章から熱意だけは痛いほどに伝わってきた。誰でも、熱意さえ持ってサイト作りを行えば、自ずとお客様を騙すようなことに手を突っ込まないし、熱意を持って商売をすれば、無垢なサイト運営者を騙すような悪質なSEO対策屋に引っかかることもない。自分の商売を固めろ、お客さまを第一に考えろということなのだ。

 ネットで商売をされている方ばかりでなく、自分のサイトに検索エンジンからたくさんの客を呼びたい方など、いまいちど初心に帰って、本書を読んでみるのも良いと思う。ぼく自身、「SEO対策」をかなり学習したつもりになっていたが、目からウロコの事実がいくつかあって、とても勉強になった。作者の会社では、日々600にも上るキーワードをウォッチしているそうで、これもまた信頼を補強してくれる。

 ただし、先にも書いたように、どうやって上位表示を決定しているかについて、検索エンジン側は公開していない。だから、あくまでも著者が感じた「正しいSEO対策」であることを理解しなくてはならない。ここに怪しい業者や、怪しい手法が入り込む余地があるわけだ。

 重要なのは、検索順位を決定するアルゴリズムが、日々進化していることだ。一般的なSEO対策業者が行っている「SEO対策」も、いつかはアウトになる可能性がある。過去にOKだった方法が認められなくなった例もある。こうなったときに怖いのは、容赦なくその関係サイト、たとえばそういった「SEO対策」を利用しているサイトまで、まとめて検索結果から消されてしまう可能性があることだ。

 そんな不確かで危険を孕む業界において、なぜ本書が信用できそうなのか、いったいどんなことが書いてあるのか。気になる方は、本書を読んで基本の基本から学んでみてはいかがだろうか。

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2007.09.03

度付きスイミングゴーグル

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 前にも書いたが、毎週プールに通っている。最近は、空いている時間もわかってきて、快適なプール生活?を送っている。水の中は楽しい。この年齢になって、こんな発見をしたと書くのは恥ずかしいんだけど、楽しいんだからしょうがないのです。いろいろな人からアドヴァイスも受けて、少しずつだが上達している。

 でも、困ったことがひとつ。ぼくは極度の近眼なのだ。初めて行ったときに眼鏡をかけてプールに入っていたら、監視員に怒られちゃった。当然だよね。泳いでいるときは、ゴーグル越しに見えるコースの線に合わせているので不便は感じないが、顔を上げれば、自分の子どもがどこにいるかさえわからない。

 度付きのゴーグルは無いんだろうか。で、Amazonで一番にヒットしたのが上の商品。読んだだけではよくわからない。どういう買い方をすべき商品なのでしょう? これって普通に眼鏡店で作れるものなのだろうか?

 追記:簡単に度付きゴーグルを買うことができました。詳細はこちらのエントリーに

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