ココログの障害情報に載った
先週の金曜日、やっとぼくが何度も報告していた障害がココログのお知らせに載った。
障害発生が2月5日ということだから、一ヶ月もの期間がかかったことになる。翌土曜日にニフティからメールも来た。
それにしても時間がかかりますね>ニフティ様
真剣に考えるべきなんだろうか。
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原 りょう: 私が殺した少女
国産ハードボイルドの最高傑作といっても言い過ぎではない。『そして夜は甦る』(ハヤカワ文庫 JA 501)でデビューした、渡辺探偵事務所の探偵沢崎を主人公とするシリーズの第二作。寡黙でストイックな探偵沢崎と程ほどのアフォリズムは、まさにチャンドラー。その雰囲気に、緻密に構成されたストーリーが被されば鬼に金棒だ。当時の読書界の驚きは、たった2作目の本作で直木賞を取らせてしまったことで、十分に想像できることだろう。 (★★★★★)
司馬 遼太郎: 竜馬がゆく(1)~(8)
後々まで語り継がれる飄々とした坂本竜馬像を創り上げ、後世の竜馬を主人公にした全ての小説・映画等に大きな影響を与えた国民的大傑作。幕末を舞台に駆け抜けた奇跡の男竜馬を描いた歴史小説だが、史実に基づいた人物に作者が創造した人物も配されており、一筋縄ではいかない面もある。結果も過程もすべてわかっているにも関わらず、時間を忘れて読むことができる奇跡的小説。 (★★★★★)
吉川 英治: 三国志(1)~(8)
ぼくの冒険小説の原点。中国後漢の時代から約100年の光芒を描く大作であるとともに、愛憎・友情・裏切り・戦い・謀略等々、物語の要素全てを過剰に含んで屹立する名作中の名作だ。後の蜀の義兄弟三人(劉備・関羽・張飛)が桃園で誓いを立て世に打って出る。他にも、個性豊かなキャラ達が縦横に物語を彩る。ストーリィも巧みで、手に取ったら最後大部8巻一気読み間違いなしの物語。 (★★★★★)
大沢 在昌: 毒猿―新宿鮫〈2〉
国産ハードボイルドの最高峰にして、作者大沢在昌の最高傑作だ。新宿を舞台にした、鮫島警部-新宿鮫シリーズの第二作にあたる。サスペンス、アクション、ストーリー展開、どれをとっても文句のつけようがない。なんと言っても、この作品の価値を高めているのは、「毒猿」の異名をとる台湾人殺し屋の存在だ。鮫島との敵味方を超えた友情が物語に厚みを与えている。シリーズ第一作は『新宿鮫』光文社文庫
(★★★★★)
宮部 みゆき: 火車
『模倣犯』より簡潔で飽きさせず、『理由』より宮部らしい優しさに満ち溢れた、宮部みゆきの最高傑作。多彩な作家的才能を持つ作者が、カード破産という社会問題に目を向けた意欲作でもある。何よりも、カード破産をしたヒロインに向ける、作者の視線が優しい。外堀から埋めて人物像を作り上げる手法も見事に成功している。 (★★★★★)
東 直己: 悲鳴
札幌を舞台にした探偵畝原シリーズの第4作にして最高傑作。良質のハードボイルドの要素をすべて備えている上に、人物造型に優れ、提示される謎も魅力的で文句なしの仕上がりだ。現代社会が生んだ闇を重厚に描いて、国産ハードボイルドのトップランナーに躍り出た。シリーズ第一作は『待っていた女・渇き』ハルキ文庫に収められた短編「待っていた女」。
(★★★★★)
梅原 克文: 二重螺旋の悪魔〈上下巻〉
日本バイオ・ホラーの金字塔。破格の創造力に支えられた類稀なストーリィ展開で、読者に息つく暇も与えない。作者が拘るサイファイとはこういう小説を指すという好例だ。後の作品のような不健全さをほとんど感じさせない。人物造型に見られる不純さには寛大な気持ちで。 (★★★★★)
樋口 明雄: 頭弾
舞台は第二次大戦前の満州。数奇な運命を辿った女馬賊 柴火を主人公に書き下ろした2連作の第1作。これもまた国産冒険小説のひとつの頂点と言える作品だ。時代に翻弄されつつ生きる人々の熱い思い。柴火(サイカと読む)だけでなく、馬賊の首領や脇役ひとりひとりまで背筋がピンと伸びて魅力的だ。若干アメリカの西部劇っぽい匂いがして、それがまた魅力。第2作『狼叫(ランチャオ)』も良い。
(★★★★★)
浅田 次郎: 蒼穹の昴(1・2・3・4)
落日の清朝を舞台にした、愛と権力のドラマ。魂をうつ歴史超大作。間違いなく作者のベストであり、本読みの間で長く語り継がれる名作であり、泣かせの名手浅田次郎の臭みが爽やかだったころの大傑作だ。歴史の奔流で、運命に立ち向かう人々を感動的に描いた。浅田さんはこれで直木賞を取るべきだった。 (★★★★★)
真保 裕一: ホワイトアウト
作者を一躍人気作家に押し上げた出世作であると同時に、近年における国産冒険小説最大の収穫。『奪取』〈上・下〉講談社文庫と並ぶ作者の代表作。厳冬期のダムを舞台に、テロリストグループにたったひとりで立ち向かう男の姿はダイ・ハードを彷彿とさせる。練り上げられたストーリーとハードなアクションが、固茹で浪花節な人物造型を引き立たせた。傑作。作者はもうこの手の作品は書かないのか…。それとも…。 (★★★★★)
福井 晴敏: 亡国のイージス 上下巻 講談社文庫
国を愛するとはどういうことか-真剣に考えたことのない方にお薦めすべき本か、それとも逆なのか。思想的に相容れない方にとって、とことんダメなのは疑う余地のないところ。しかし、だからといって、この物語の価値がいささかも下がるものではない。近年の冒険小説を代表する大傑作であり、日本の将来を真剣に憂える作者の作品群の中でも特別な位置を占める物語である。 (★★★★★)
花村 萬月: ブルース
愛と暴力の天才作家、花村萬月初期の最高傑作。圧倒的で怒涛の筆致。不器用な人間たちが繰り広げる、悲しい愛の物語。ギタリスト村上と、美貌のシンガー綾の初セッションシーンは、萬月作品の数ある名シーンの中でも出色の名シーンだ。物語のおもしろさという点では落ちるだろう。しかし、一シーンごとの濃密な空気を充分に味わって欲しい。やるせなくて、狂おしくて、いてもたってもいられなくなる物語。 (★★★★★)
逢坂 剛: カディスの赤い星〈上下巻〉
作者お得意のスペインを舞台にしたサスペンスで、直木賞など数々の賞を受けた名作。個人的には『百舌の叫ぶ夜』集英社文庫と並ぶ作者の最高傑作だと思っている。ミステリーとして優れているだけでなく、国内作家が著した海外を舞台にした冒険小説の先駆であり、ひとつの到達点と言える。若干の軽さは作者独特の個性であり、忌避すべきものではない。 (★★★★★)
飯嶋 和一: 神無き月十番目の夜
市井の人々にスポットを当てる稀代の歴史小説家、飯嶋和一さんの最高傑作。徳川家康の検地を巡るいざこざで全ての村人が虐殺されるに至る顛末を描く。感情を廃した透徹した視線と、事象を淡々と正確に追おうとする作者の姿勢がすばらしい。緻密な時代考証で描かれる当時の習俗描写が物語に臨場感を与えている。ジェノサイドは、村人たちの聖地で行われた。すさまじい。 (★★★★★)
馳 星周: 不夜城
わが国初、と言っても良いくらいの本格的暗黒小説の傑作。アジア屈指の歓楽街 新宿歌舞伎町を舞台に、中国人黒社会で生き抜いてゆく主人公、劉健一を追う。初読の時は、あまりにセンスの無いタイトルが邪魔をして、中々入り込めなかったが、二度目で極私的にブレイク。エルロイにインスパイアされた作者渾身の一冊。痛すぎる物語。 (★★★★★)
高村 薫: レディ・ジョーカー〈上下巻〉
シリーズと言ってよいものかどうか不明だが、『マークスの山』に始まる合田警部補シリーズの3作目。傑作中の傑作だろう。緻密にディテールを積み上げながら、虚構の世界を縦横に構築してゆく。グリコ・森永事件をモチーフにした事件に端を発した物語は、単なるミステリーの枠に留まらない影響力を持つに至った。戦後日本の縮図がここにある。 (★★★★★)
DS陰山メソッド 電脳反復 正しい漢字かきとりくん
小学校2~4年生くらいにオススメの漢字学習ソフト。小学校で習う1006個の漢字について、書き順、音読み訓読み、意味まで覚えることができる。百ます計算で知られる陰山英男さんの考案した、反復学習法に則っている。「かきとりの練習」では、書き込んだ漢字の形を認識して、ソフトが判定を下して点数をつける。点数が悪いと不合格となるなど、ゲーム的な要素を備えているので、子どもを飽きさせない。正しく漢字を認識させるには、はね、はらい、まがり、へんとつくりのバランスなど、漢字の基本にもどって書く必要がある。 (★★★★★)
「うっかり」をなくそう! 文章読みトレーニング 読みトレ
小学生向けの脳トレ。文章を読んで問題に答えることによって、「きまりを見つける力」「文字を使いこなす力」「イメージする力」「すじ道を理解する力」を身につけることができる。例えば、助詞の穴埋め問題だったり、「菅」がたくさん並んでいる中に「若」が一つだけあって、それを指し示す問題だったり、結構長めの文章からその人の職業を当てる問題だったり、書いてある文章から結果を答える問題だったりと多岐にわたっている。ベネッセが長年にわたって培ってきたノウハウが詰め込まれたソフト。 (★★★★★)
先週の金曜日、やっとぼくが何度も報告していた障害がココログのお知らせに載った。
障害発生が2月5日ということだから、一ヶ月もの期間がかかったことになる。翌土曜日にニフティからメールも来た。
それにしても時間がかかりますね>ニフティ様
真剣に考えるべきなんだろうか。
2008.03.11 06:27 ウェブログ・ココログ関連 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
![]() | ワールド ワールド ワールド ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文 キューンレコード 2008-03-05 売り上げランキング : 10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
昨年秋だったか、後藤正文が結婚するときに、スポーツ紙が「ポップな旋律と独特の歌声の」みたいなフレーズでアジカンを紹介していた。知らないということは恐ろしい。少しでもアジカンを聴いたことのある人間で、少しでも音楽をわかっている書き手ならば、アジカンをしてポップなどとは絶対に言わないだろう。資料をなぞっただけのひどい記事だった。
ググッたら、運良くまだ残っていたのでリンクを貼っておく。ニッカンスポーツだった。いずれ消えちゃうだろうから、引用しておこうかな。
「アジカン後藤が一般女性と結婚」2007年9月22日の記事。わ、そうだった、ニッカンはコピーできないんだった!
2008.03.09 10:00 音楽 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
ジョージ・P・ペレケーノス: 終わりなき孤独
黒人探偵、デレク・ストレンジ=シリーズ第二作。第一作『曇りなき正義』が予想以上に良かったので、間髪を入れず読み始めた。一作目の彼は相棒に昇格した模様。帯の「家田荘子推薦」の文字がなんだかイヤらしい。黒人探偵だからか? こんな邪推をする自分がイヤらしいのか?
ジョージ・P. ペレケーノス: 曇りなき正義
黒人探偵、デレク・ストレンジを主人公にしたシリーズ第一作。記憶を手繰っても黒人探偵は思い出せない。それ以外は珍しいことも無いのだが、類推された通りのテーマが見事に浮き彫りにされ、差別の深層心理に迫る。白人がこれを書くことを黒人はどう受け止めているのだろうか? (★★★)
矢作 俊彦: THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ
チャンドラー『長いお別れ』へのオマージュ。磨き上げられた言葉たちが紡ぎあげる、見事なハードボイルド探偵小説だ。横浜&横須賀を舞台に、本場アメリカのような雰囲気を作り上げる手腕はすばらしい。若干、才気ほとばしり過ぎて緩慢な印象が残念。プロットが複雑なのは良いのだが、もうちょっと登場人物を整理すれば完璧だったか。 (★★★★)
大石 英司: 神はサイコロを振らない
予想以上に良かった。大石さんのサイトの熱心な読者でも、本はほとんど読んでいないので多くは解説できないが、とても良い小説だと思う。佐々木譲さんが自サイトで、「お盆ストーリー」と評されていた。これだけ心温まる本にはなかなか出会えない。バブル崩壊、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件。20世紀から21世紀にかけての前後10年間の黙示録でもある。 (★★★★★)
ジェイムズ・クラムリー: ファイナル・カントリー
寡作の大御所クラムリー、2001年の作品。ミロを主人公にしたハードボイルド・シリーズ第四作。この物語でミロはなんと60歳を迎える。しかし、マット・スカダーの老境小説を嘲笑うかのように過激だ。極上の雰囲気を持った物語だが、相当な難物。登場人物が多い上に一読では理解不能な部分が多い。ラストの謎解きも消化不良。もう一度間をおいて、ノートをつけながら読む必要がありそうだ。…情けないが。それでも四つ星。 (★★★★)
原 りょう: 愚か者死すべし
国産ハードボイルドの至宝、遅筆で鳴らす原さんの最新作。前作から9年の時を経て刊行された「沢崎シリーズ」長編第4作だ。銘打たれた「新」の文字に込められた作者と編集者の思いのたけ。吉とでるか凶とでるか。 (★★★)
R・D・ウィングフィールド: 夜のフロスト
中年おやぢの星、ジャック・フロスト警部が帰ってきた。大小の事件が同時多発するモジュラー型警察小説の逸品。はちゃめちゃでドスケベで下品なフロスト警部の大活躍を見よ。エンターテイメントの極致がここにある。シリーズはどれも傑作揃い、ちなみに第一作は『クリスマスのフロスト』創元推理文庫 (★★★★★)
アンドリュー ヴァクス: ブルー・ベル
ポスト・ネオハードボイルドの旗手と言われた作者が放つ、探偵バーク・シリーズ第三作にして最高傑作。現代ハードボイルドのひとつの完成形がここにある。この涙なしには読めない切ない物語が、多少の甘さを伴ってシリーズの代名詞ともなった。シリーズ第一作は『フラッド』ハヤカワ・ミステリ文庫
(★★★★★)
オースン・スコット カード: 消えた少年たち
SF作家カードが描き出した、感涙必至の永遠の名作。父親の鬱屈した生活と心理描写は大きな障害だが、その先に待っている驚愕の結末のために我慢すべし。この本から与えられる衝撃と感動は唯一無二のものだ。胸の熱くなる感動と悲劇の一日が紡ぎだされる。 (★★★★★)
ケン・グリムウッド: リプレイ
人生をやり直したらもっとうまくいくはずだ-こんな誰でも考えるであろうテーマを、辛気臭くならず教条的にならず、緻密で見事な構成で織り上げた名作中の名作。ある程度の年輪を重ねないと感動できない小説かもしれない。時空を超えた魂の遍歴が得た確かな何かが、改めて心に染み入ってくる。 (★★★★★)
ジェイムズ エルロイ: 血まみれの月
暗黒小説のカリスマ、エルロイが放つ警察小説シリーズ第一作。別名ホプキンズ三部作。コナリー描くところこのボッシュの原型と囁かれるホプキンズの狂気は、読む者に自分自身の暗い情念を呼び覚まし、恐怖をもたらす。一見無関係の事象が一点に収斂する様もミステリとして秀逸だ。 (★★★★★)
ジェイムズ エルロイ: ブラック・ダリア
LA暗黒史4部作の第一作にして最高傑作であるばかりでなく、暗黒小説史においても重要な位置を占める傑作中の傑作。1940年代の世相を、ブラック・ダリア惨殺事件に翻弄される、双子かコインの裏表とも言えそうな二人の主人公を通して描く。 (★★★★★)
ジェフリー ディーヴァー: ボーン・コレクター〈上下巻〉
サスペンスを、エンターテイメントを知り尽くした作者が作り上げた究極の安楽椅子探偵、リンカーン・ライム登場作。作者お得意の息をもつかせぬ展開で読者を翻弄する。作者の知的な探究心とサービス精神は果てることを知らない。脱帽の一冊。脇役陣も光っている。 (★★★★★)
ジョナサン ケラーマン: グラス・キャニオン〈上下巻〉
小児専門臨床心理医アレックスシリーズの第3弾。この作家のテーマはヴァクスと同じく「児童虐待」だ。ハードボイルドには珍しい濃密なハイソな雰囲気を漂わせる異色シリーズの最高作。巧みな構成に唸るばかりだ。シリーズ第一作は『大きな枝が折れる時』扶桑社ミステリー
(★★★★★)
スティーヴン ハンター: 極大射程〈上下巻〉
これぞエンターテイメント。大ブレイクしたボブ・リー・スワガー=シリーズ第一作にして最高峰。計算されつくした構成で、手に汗握るサスペンスに唸る。無実の罪で追われるボブの仕掛ける戦争には色々あるだろうけど、いかにもアメリカ的な物語は現代アメリカを象徴している? (★★★★★)
スティーヴン・ハンター: 真夜中のデッド・リミット〈上下巻〉
日本で大ブレイクしたスワガー・シリーズ以前の傑作。スワガー物よりも密度が濃く、かつサスペンスフルかも。冒頭シーンを読んだら最後、大部上下巻を一気読み間違いなし。長く絶版だったが、スワガー人気に後を押されて新装再版なった。 (★★★★★)
ダン シモンズ: エンディミオンの覚醒〈上下巻〉
ハイペリオン四部作の掉尾を飾る物語。翻弄されてきた読者は、ほとんどすべての謎解きを知ることになる。快感は脳髄が痺れるほどだ。しかし、納得できない事柄も多々あり、更なる続編を期待させる。噂はないようだが…。人物には多少の不満も。シリーズ第一作は『ハイペリオン』〈上下巻〉ハヤカワ文庫SF
(★★★★★)
ダン シモンズ: ハイペリオン(上下巻)
ハイペリオン四部作の第一巻。難解だがロマン溢れた超大作。28世紀、「時間の墓標」の謎を解くため、惑星ハイペリオンへ縁のある6人(7人)の巡礼が送られた。6人のそれぞれのドラマがオムニバスで並ぶ。全体からみれば、序章に過ぎないのだが、圧倒的な物語に食事も忘れた。 (★★★★★)
デニス レヘイン: 愛しき者はすべて去りゆく
私立探偵パトリック・ケンジー&アンジー=シリーズの第四弾。第二作と並ぶ代表作だ。この作品のテーマである児童虐待は、過去様々な作家がとりあげてきた。しかし、才人レヘインは切り口がまた優れている。単なる誘拐事件と思われた少女失踪事件の裏に隠された驚くべき真実。胸の張り裂けそうな物語。シリーズ第一作は『スコッチに涙を託して』角川文庫 (★★★★★)
デニス レヘイン: 闇よ、我が手を取りたまえ
私立探偵パトリック・ケンジー&アンジー=シリーズの第二弾。現代ハードボイルドが生んだひとつの頂点。不可解な依頼から端を発した事件が、ひとつの殺人事件をきっかけに怒涛のスリラーに変貌する。20年前に穿たれた暗黒に飲み込まれようとするボストンの街はどうなる…。シリーズ第一作は『スコッチに涙を託して』角川文庫 (★★★★★)
トマス・H. クック: 死の記憶
記憶シリーズの白眉。なぜ、父親は家族を殺さなければならなかったか。記憶の薄皮を剥がすように、カットバックで描かれる物語は、世の父親どもを震撼させずにはおかない。静謐で映像的な文章が己の内へ内へと誘い込んで行く。追憶の悲劇。 (★★★★★)
ドン ウィンズロウ: ストリート・キッズ
元ストリート・キッドのニールを主人公にしたハードボイルドシリーズの第一作。これまでの探偵像を一気に覆す新鮮でライトなハードボイルドの逸品。へらず口で生意気なクセにナイーブで優しいニールに、擬似父のグレアムが教え込む探偵術に目を見張る。家出少女に見せる優しさが切ない、青いハードボイルド。 (★★★★★)
フェイ ケラーマン: 豊饒の地〈上下巻〉
ピーター・デッカー&リナ・ラザラスを主人公とした警察小説シリーズの第三作。ロス・アンゼルス郊外を舞台にした大家族の肖像を描く重厚な物語だ。ミステリとして変化球を投げようとして投げることのできなかった作者が放つ直球勝負。見事に欠点を美点に変えて見せた。驚くべき筆の冴え。シリーズ第一作は『水の戒律』創元推理文庫 (★★★★★)
マイクル コナリー: ブラック・ハート〈上下巻〉
現代最高のハードボイルド警察小説シリーズ、ハリー・ボッシュ=シリーズ第三作目にして最高峰。ドールメーカー事件の後始末でボッシュは法廷闘争の真っ只中。そこに発見されるコンクリート・ブロンド。本格ハードボイルドにサイコをミックスした怒涛のサスペンス。現代ハードボイルドはこれなくして語れない。シリーズ第一作は『ナイトホークス』〈上下巻〉扶桑社ミステリー
(★★★★★)
マイクル コナリー: 堕天使は地獄へ飛ぶ
ロス市警のハリー・ボッシュ刑事を主人公とするシリーズ六作目。良くも悪くもシリーズの転換点だろう。ボッシュ・シリーズにつきまとっていた、ボッシュの内面を掘り下げる内向的な雰囲気が払拭され、警察小説本来の捜査に重きを置いたのも好感が持てる。ミステリとしても第一級。すごい。シリーズ第一作は『ナイトホークス』〈上下巻〉扶桑社ミステリー
(★★★★★)
マイクル・Z. リューイン: 季節の終り
舞台のインディアナポリスが異色なら、無色透明な探偵アルバート・サムスンは更に異色。この異色シリーズの第6作にあたる。粗暴な上に心に傷を負った探偵が多い中、サムスンは知性的で物静かだ。死体に遭遇しない探偵としても知られる。知性派探偵が解き明かす50年の時の乱麻。シリーズ第一作は『A型の女』ハヤカワ・ミステリ文庫
(★★★★★)
マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー: テロリスト
マルティン・ベック=シリーズ第10作にして最終作。シリーズファンには心憎い気配りがあって掉尾を飾るに相応しい物語といえる。冒険小説好きを小躍りさせ、本格マニアをも唸らせるであろうテロルの決算。マルティン・ベック=シリーズは警察小説の金字塔である。シリーズ第一作は『ロゼアンナ』角川文庫 赤 520-4
(★★★★★)
マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー: 笑う警官
ストックホルムを舞台にした警察小説、マルティン・ベック警視シリーズの第4作。シリーズ後半には社会批判が色濃くなる。この作品では若干の萌芽は見られるが、それ以前の代表作といえる。ミステリーとしても豊穣の一冊。シリーズ第一作は『ロゼアンナ』角川文庫 赤 520-4 (★★★★★)
ロバート・R. マキャモン: 少年時代〈上下巻〉
ホラーの第一人者が描き出した、少年の成長物語。12歳の少年コーリーの目を通して描かれるミステリーは、不条理な大人の世界を「1960年代アメリカ」という普遍的な時代性とともに捕らえ、流れ行く潮流のひとつの断片として見事に炙り出した。 (★★★★★)
ローレンス ブロック: 八百万の死にざま
1988年に発行されたマンハッタンのアル中探偵マット・スカダー=シリーズの最高傑作。ネオ・ハードボイルドのひとつの到達点にして、分岐点でもある。己を認められなかったマットがラストに吐露する言葉の重さは、シリーズ読者に勇気と感動を与えた。シリーズ第一作は『過去からの弔鐘』二見文庫
(★★★★★)

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