噂どおり、楽しく見ることができた。連続テレビドラマをオンエアで観る余裕は無いので、DVDでまとめてみることになる。オンラインDVDレンタルという強い見方があるから、こんなスタイルも可能なわけだ。中年おぢが、この手の連続ドラマを楽しみに見ているという図が、なんともわびしくて気味が悪いのは置いておくとして。
篠原涼子演じるスーパー派遣社員・大前春子のキャラを思いついた時点で、このドラマの半分以上は出来上がったようなものでしょう。現代社会を映し出した上、ターゲットとなる視聴者に共感を呼びそうな出色のキャラだった。しかし、途中で大前春子のキャラがあいまいになってくるのが、ちょっとばかり残念。
それなら、『女王の教室』
の「阿久津真矢」のように徹し切るべきだったかと言われればどうだろう。キャラに隠された秘密が暴露されるに従ってキャラがあいまいになる。確信犯なのでしょう。暴露されるごとに大前春子の人間的な魅力が増幅されていく。常套手段。アンビバレンツな危うい稜線に立ったヒロインの危うさ。最後の方は痛いとしか見えなかったが。

なんといっても、篠原涼子である。制作側の意図に応える熱演だった。Wikipediaによれば、ご本人はかなりの"天然"だそうだが、このドラマのヒロイン大前春子みたいなデフォルメのきつい役を、モロなコメディタッチに陥らず微妙な線で演じていたと思う。
ぼくにとっては、篠原涼子といえば『アンフェア』
だった。『ハケンの品格』の大前春子と『アンフェア』の雪平夏見。一見まったく違うように見えるが、奥深いところでは共通点がある。言葉は悪いが「やせ我慢」をキーワードとすれば、つながってくるのだ。
普段は連続ドラマのコメディなど見ない。しかし、『アンフェア』の大ファンであるぼくならと、すすめてくれる人がいて『ハケンの品格』を見た。確かにおもしろかった。どこに惹かれるんだろうと思ったらヒロインのキャラだった。「やせ我慢」は、ぼくの愛する「ハードボイルド」につながる。ヒロインの心根の奥底でつながる共通点。こう書くと、なんだから安っぽく見えてくるから困ったものだが。
派遣社員が自らの「資格」を武器に、社員の窮地を救い出す痛快さ。まるで水戸黄門の印籠のようだった。このドラマにはヒットする要素がふんだんに盛り込まれている。まあ、つまり緻密なマーケティングとターゲティングによって生み出されたドラマなのだった。
最終回が残念。もっと練り上げれば、進化した大前春子像ができあがっただろうに。露骨に2時間ドラマ程度の続編を作れる下地を残すあざとさ、でありました。大前春子が最後に大泉洋演じる東海林主任に吐くセリフに萌えるか萌えないか。最近の若い男はマグロなMが多いそうなので、萌えるのかな。
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